インターネット・コンピューターを支えるプロトコル
インターネット・コンピューターは、ICPによって構築されており、ICPトークンがユーティリティトークン(特定のサービスやコミュニティを利用する際に権利や機能を持つトークン)として利用されます。
ICPプロトコルのコア技術は、4つのレイヤーで構成され、各サブネットのノード上で動作します。
インターネットコンピューターのプロトコルスタックの最下層に位置するPeer-to-Peer(P2P)は、サブネット内のノード間の安全かつ信頼性の高い通信を担います。
ノード同士のIPレベルの接続を活用して、仮想的なP2Pのブロードキャストネットワークを実現します。
ノードはP2Pを通じて「アーティファクト(artifact)」と呼ばれるネットワークメッセージをサブネット内の他ノード全体にブロードキャストできます。
アーティファクトの例
P2Pは、送信されたアーティファクトが最終的にサブネット内の全ノードに確実に届くことを保証します。
これは、通信ネットワークが非同期的(遅延や接続断が起きる可能性がある)であることを前提としており、インターネットコンピューターもその非同期モデルを採用しているためです。
この仕組みにより、多少の遅延やノード障害が発生しても、アーティファクトは最終的に全ノード間で共有されるよう設計されています。
P2Pが確立するこの「最終的な配送(eventual delivery)」の仕組みが、サブネット全体で一貫したデータ・状態を維持するうえで不可欠となっています。
ブロックチェーンには、ネットワーク内のノードが「どのメッセージをどんな順序で処理するか」を合意するためのコンセンサス機構が不可欠です。
インターネットコンピューターのコンセンサスは、サブネット(独立したブロックチェーン)のノードを制御・同期させるコアICPの重要な要素です。
各サブネットは他のサブネットとは独立して動作しながら、同じプロトコルの仕組みでメッセージを処理します。
コンセンサスプロトコルの役割は、サブネットに属するすべてのノードが同じ順序で並べられたメッセージのブロックを受け取り、決定論的に同じ状態遷移を行えるようにすることです。